[2019年1月23日] RSNA2018報告会

東京都健康長寿医療センター 鈴木 諭貴

 2019年1月23日(水)に第102回TCTT主催講義『RSNA2018報告会』が公益社団法人東京都診療放射線技師会研修センターにて開催されました。

 今回の講義では、2018年11月25日~11月30日まで米国イリノイ州シカゴ市のマコーミックプレイスを会場に開催された第104回北米放射線学会(RSNA 2018)にて展示および発表を行った日本国内CT販売メーカー5社のご協力により、最新情報提供を行って頂きました。今回の講義では、各社から展示ブースの概要はもちろんのこと、RSNA2018にて発表された各社の最新機器報告やCT関連の研究発表に関してなど幅広く情報提供をして頂きました。(今回の内容は一部薬事未承認のものが含まれています)

 RSNA2018においても、最近よく耳にするartificial intelligence (A.I.)がやはり大きなトピックスだったようで、今回講演頂いたメーカーからも多くのA.I.を用いた技術の紹介がありました。A.I.を用いた技術を活用することで、検査のスループットがより向上することが期待できるのではないかと感じました。

 SiemensからはFAST 3D Cameraという装置がとても興味を持ちました。これは、検査台の天井にカメラを設置して、これを用いることでポジショニングのサポートが可能となるとのことでした。どの向きで寝ているのかも判別できるとのことでした。

 G.E.からはRevolution Apexという新しいCT装置の紹介がありました。また、心臓CT検査時におけるモーションアーチファクト低減が可能となるSnap Shot Freezeも冠動脈だけではなく、大動脈弁にも適応可能となるとの報告がありました。Transcatheter aortic valve implantation (TAVI) 前の画像解析でとても有用ではないかと感じました。

 CANONからはdeep learningを用いた画像再構成であるadvanced intelligent clear-IQ engine (AiCE) について説明がありました。ADCTにも搭載がされ始めたとのことでした。日本では春の学会ですでに紹介された技術ではありましたが、適用範囲が拡大されており、とても有用な画像再構成であると再認識しました。

 PhilipsからはARを用いた装置の展示についての説明がありました。従来のように実機ではなくARを用いた展示はとても興味が湧きました。また、IQon Spectral CTの様々な臨床データの紹介がありました。

 Hitachiからは新たな画像再構成であるiterative progressive reconstruction with visual modeling (IPV) についての報告がありました。また、自動的に最適な撮影範囲を設定できる技術の紹介がありました。今までありそうでなかった技術でもあり、とても興味をもちました。

 最後に、ご多忙の中、講師をしていただきました各社の皆様に深く感謝申し上げます。ありがとうございました。